今週のお題「読んでよかった・書いてよかった2024」
今年読んでよかった本は、叶井俊太郎さんが出した「エンドロール」という本です。
ざっくりいうと、末期がんの叶井さんと文化人15人の余命半年での対談という珍しい本です。この本を知ったのは、YouTubeの肉乃小路ニクヨさんのチャンネルで倉田真由美さんと対談をした時に紹介があり、興味を持ったからです。そしてこの本を紹介した時は彼はもうこの世にはいない人だったからです。
ネタバレになるといけないので細かくは書けませんが、本人自体は膵臓癌の末期で余命半年と宣告されてもケロッとしている。達観しているというか、奥様で漫画家の倉田真由美さんの方が悲しんでいて、中学生の娘さんも意外とお父さんの死に対して受け入れている感じが飄々としていてよかったです。
叶井さんはいわゆるプレイボーイで女性関係が華やかだった方事、三度の結婚・離婚をされている、海外の映画の買い付けやPRの仕事をしていて、借金も作ってといわゆる倉田真由美さん用語で言う「だめんず」だった事です。倉田さんが最後の女性と言うことになるのでしょうか。でも対談を読んでいると
火野正平さんに通ずる人たらしと言うか、天性の人に好かれる、無理やっても許されるなんだか不思議な魅力の人のようでした。対談では親しい文化人の人と楽しく相手にディスられながらも(親しい上での)今までの思い出や余命について明るく対談が進んでいきます。
本人は、57歳で亡くなってしまうのですが、対談ではやりたい事をやり切ったのでこの世に未練がないとさっぱり語られています。周りの方が大丈夫?!っと言う感じです。
健康で長生きももちろんそれも良いと思いますが、やりたい事をやり切って短命でこの世を去るのも人それぞれで良いのかな、とこの本を読んで思いました。やはり個々の生活に対する考え方もありますし、運が結構影響しているのかなとも思います。
この本は改めて、人の寿命ってなんだろう、人が亡くなる前の心境ってこの人はこうだったんだと知ることができました。人が亡くなることについて、一般的には暗くなりがちですが、地方によっては、お盆も明るく楽しい感じであったり、お葬式は普段会えない人同士があう場所でもあったりします。死を考えると今を生きる事が大切になる事を知る、そんな事を考えられるような本でした。対談形式なので気軽に読めました。一読される事をお勧めします。